ところざわ倶楽部

再録:2026年1月5日


≪一寸庵閑話≫  

「キャッツ」と「翔ぶが如く」に感動した夏でした
2018 -10 -05  記 ケン・シェイクスビア   
(Ken Shakesbeer)   


▼劇団四季が大井町の常設館に隣接して新しいキャッツ・シアター(1200人収容)を建設、5度目の「キャッツ」東京公演をやっているという情報をつかんで、先日秘書と出かけました。


   
       キャッツシアタ-       プログラムに載っていたジェリクルキャッツ


  
 キャッツ公演プログラム
  

昨年7月に「オペラ座の怪人」を横浜に見に行ったことをHP投稿283に書きました。 「オペラ座の怪人」を全世界で14000万人が見たということに驚きました。
 198311月に劇団四季が創立30 周年記念に始めたミュージカル「キャッツ」は、わが国で初めてのロングラン公演を実現、来年の3月には「キャッツ」の 1万回公演を迎えるそうです。
 「キャッツ」は24匹の猫たちが、まさに猫そっくりの動きをみせ、 ダイナミックなダンス、セクシーなダンス、そして圧倒的な歌、合唱にも引き込まれます。強烈なスピードとパワーを感じます。 女性がしみじみ歌い上げる「メモリー」はとても印象に残ったすばらしい歌です。
毎年1回、たくさんのジェリクルキャッツのなかから、 最も純粋な1匹をえらぶ満月の夜の舞踏会。そしてえらばれた猫が天上にのぼっていきました。(^^♪)

▼酷暑の夏、私の好きな作家が「司馬遼太郎の作品のなかで最高は『翔ぶが如く』だ。」 といってましたので「よし、読んでみよう!」と決め、文春文庫で10巻、約3600ページに挑戦し、 2か月ほどで、読破しました。がんばった自分をほめてやりたいのですが、酷暑で外に出かける気にならなかったことも一因です。 台湾に避暑に出かけたと得意がったりしましたが・・・。(^_-)
 城山三郎は「本を読まない人生はザルで水をすくうようなものだ」といっています。 また、ある実業家は「本を読まないなら人に会え」といっています。 どちらも私は大切にしています。

▼薩摩人に好まれていない2人(大久保利通と川路利良)のうちのひとり、日本の近代警察制度をつくった川路利良から「翔ぶが如く」は始まります。 川路はのちに西郷暗殺の刺客団を鹿児島に送り、1877年の西南戦争の一因をつくります。
 司馬遼太郎は、明治維新で活躍した群像の人間模様を巧みに描いています。30 代の機略に富んだ革命戦士・西郷はともかく、晩年の西郷よりは現実主義者・大久保を司馬は好んだようです。明治2年 に鹿児島に帰って山でころんで後頭部を石に強打した西郷。この後遺症が影響したかも・・・。「僧院の陰謀家」山県有朋を司馬は嫌悪しました。山県は汚職の もみ消しを西郷にやってもらって西郷には負い目があったとか。「軍人を政治に参画させない」主義の木戸孝允は山県に反発。勝海舟は西郷びいき。一方、大隈 重信は西郷にかなり批判的で、板垣退助と西郷とはあまりよくない。伊藤博文を大久保は引き立て、可愛がります。

 西郷に心服する人斬り半次郎(桐野利秋)が陸軍少将になり、西郷軍の司令官を務めますが、 戦略なき軍人でしたから、西郷軍は熊本城攻略に執着し、全国展開という機を逸するのです。 そして鹿児島の城山で『晋ドン モウココデヨカ』と西郷は別府晋介にいって討たせます。 


 西郷さん 


  司馬は、この長編小説の主人公は西郷隆盛であり大久保利通といった明治という新しい時代を作った薩摩人であるといい、 また「主役は時代であり、あるいは薩摩隼人である。」ともいっています。 もちろん明治10年まで薩摩の収入が国に入らず、薩摩が「独立」していたという歴史的環境が薩摩隼人を活かしていたのですが・・・。

▼司馬は「ともかくも西郷らの死体の上に大久保が折りかさなるように斃れたあと、 川路もまたあとを追うように死に、薩摩における数百年のなにごとかが終熄した。」 と小説翔ぶが如く」を結んでいます。
 また、司馬は「私は、どちらかが善とも悪とも書かなかった。農民をふくめて、維新から明治 10年までを、ひとびとがよく堪えたことに大きな感動をもちつづけているのです。」と書いています。

▼大河ドラマ「西郷どん」をまだ見ています。 「軍師官兵衛」が最後でここ数年、大河ドラマは途中でイヤになってやめているのです・・・。
 「西郷どん」は吉之助が幼少の時、 斉彬と会うというひどい設定でした。小説だといってしまえばその通りですが、時代考証に大谷学、磯田道史などすぐれた先生を配しているのにと思います。 「鶴瓶が岩倉具視」にはあきれてしまいます。
 鶴瓶を三園とかいう女性脚本家が強く推したとか。アホかいな ( ̄ヘ ̄)                                           (完)