再録:2026年1月5日
| ≪一寸庵閑話≫ 「台湾に思うこと」 |
これは10月のアジア研究会で話したことを再編集したものです。 ▼日本の鉄道、バスは 『Priority Seat』 を 『優先席』と表示し、台湾では 『博愛座』 と表示しています。これは日本人の直訳する『生真面目さ』と台湾人の 『おおらかな優しさ』を示しているのかも知れません。 私は台湾の方が『こころ』を感じて好きです。 MRT(地下鉄)で郊外に出ると、窓外に景色がひろがり、気分転換にペットボトルのお茶を飲もうとしたら、隣のご婦人がトントンと私の肩を叩き、手を振りました、にこやかに。私は『シェーシェ―』と云って飲みませんでした。飲食禁止なのです。
日本の鉄道のホームなどの表示の字が台湾やヨーロッパ、ウイーンやベルギーなどにくらべて小さいことも、日本の公共施設の不親切さを表しているように思います。日本の
『以心伝心』、『忖度』の文化は、意外に弱者に優しくないように感じます。バリアフリーが遅れている日本の厳しい現実があります。
『鼎泰豊』は1996年に新宿高島屋にオープンしたとき、すぐ行きましたが、本場とは味・雰囲気ともやっぱりちがいましたね。
▼第4代総統・李登輝氏が7月30日に97歳で亡くなりました。彼は戒厳令を解除し、『ゆっくり枕を高くして眠れる社会にしたい』と民主化をすすめ、『台湾民主化の父』といわれています。 彼は司馬遼太郎と親交があり、司馬は『街道をゆく』で台湾紀行を書きます。 1993年1月李登輝は総統官邸で司馬を迎え、同い年でもあり、流暢な日本語で語り、すぐに親友になったとか。李登輝は新渡戸稲造の『武士道』を愛読していました。
▼台北でタクシーに乗ると、運転手が日本語で話しかけてきます。『私は客家です。福建省から来ました』。客家(はっか)は漢民族の一族、少数民族の1つで、福建省や広東省出身者が多いそうです。 台北の道路の信号は秒数表示です。大通りは60秒や30秒です。秒数表示でせわしないのはプラハでしたね。渡り始めるとすぐ点滅しはじめるのです。 台北はこの信号表示技術では世界のトップといわれています。単なる赤青表示でなく、秒数や人の歩く画像とか工夫しています。 ▼三国時代、蜀の諸葛亮孔明は南方で反乱する豪族 『孟獲』 と戦い、捕え、殺さずに放します。そして反乱を繰り返す孟獲と戦うこと7度。やっと蜀に帰順し心服した孟獲。『7縦7禽』 のエピソードです。孔明は 『力で抑えつけるのではなく、心を攻めるには粘り強く時間をかけることが必要』 と考えたのでしょう。 (完)
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